今日の研究室風景



お菓子を食べながら、
RSSの使い方講座(by 川原)

最近やっている研究の話(by 田中)

まったりの日常です〜



Multivalley Free Energy Landscape and the Origin of Stripe and Quasi-Stripe CDW Structures in Monolayer MX2 Compounds

池田です。新しい論文が出版されました!

遷移金属ダイカルコゲナイドは層状の物質で、様々な電荷密度波(CDW)状態に相転移します。平衡状態として存在するいくつかのCDW状態を再現するランダウ理論は、斯波先生らによって発展させられて来ましたが、準安定状態として現れる(準)ストライプCDWについては完全には理解されていませんでした。今回我々は、斯波先生らのランダウ理論を詳細に再検討した結果、(準)ストライプCDWが実はこの理論に内包されていることを発見しました。

この研究は北大の丹田研究室(実験)との共同研究で、実験に関することも色々と勉強になりました。主に対称性だけで決まるランダウ理論が豊かな構造を持つのがちょっとおもしろいです。あと、今まで理想化されまくったモデルをやってきた自分としては、すごく物質寄りの研究をして、いい思い出&勉強になりました。

ぜひご覧ください!

K. Nakatsugawa, S. Tanda, and Tatsuhiko N. Ikeda
Multivalley Free Energy Landscape and the Origin of Stripe and Quasi-Stripe CDW Structures in Monolayer MX2 Compounds
Sci Rep 10, 1239 (2020)

Disorder effects on the origin of high-order harmonic generation in solids

常次研D1の鎮西です。新しい論文が出版されました。
乱れのある固体における高次高調波発生に関する理論研究です。

高強度レーザーを物質に照射したとき入射周波数の整数倍の周波数を持つ出力光が発生する現象を高次高調波発生(HHG)と呼びます。これは典型的な非線形現象であり、固体でのHHG発見以降、その発生メカニズムや性質が活発に研究されています。
この研究では、固体HHGにおける乱れの効果を調べることにより、乱れた固体でのHHGの起源は、固体中電子のコヒーレントなポテンシャル散乱とインコヒーレントなポテンシャル散乱の2つであることを明らかにしました。乱れが弱いときはコヒーレントな散乱が、乱れが強いときはインコヒーレントな散乱が支配的です。
つまり固体HHGにおいて結晶の周期性は重要な役割を果たしており、光に誘起されたコヒーレントなブロッホ状態のダイナミクスが大きなHHG生み出します。

共同研究者である助教の池田さんには、HHGのことも含め色々と教えていただきました、ありがとうございます。
この仕事は、研究開始からarXiv版までは早かったのですが、そこから出版までかなり苦労した研究です。最終的にOpen access(誰でも無料で見れる)のPhysical Review Research誌に掲載されましたので、ぜひご覧ください!

Koki Chinzei, and Tatsuhuko N Ikeda,
Disorder effects on the origin of high-order harmonic generation in solids
Phys. Rev. Research 2, 013033 (2020)


High-harmonic generation by electric polarization, spin current, and magnetization

池田です。先日arXivで公開した論文が出版されました。
査読はとてもすんなりで、かなり早く出版されて良かったです。
しかし論文が長いので校閲が疲れた・・・

Tatsuhiko N. Ikeda and Masahiro Sato
High-harmonic generation by electric polarization, spin current, and magnetization
Phys. Rev. B 100, 214424 (2019)

Generation of DC, AC, and Second-Harmonic Spin Currents by Electromagnetic Fields in an Inversion-Asymmetric Antiferromagnet

池田です。論文が新たに出版されました。
反転対称性の破れた反強磁性体に電磁場を与えて直流・交流・第二高調波スピン流を発生させる方法の理論提案です。

先日の佐藤さんとの共同研究のスピンオフ作品で、理論モデルは鎮西君の修論研究にインスパイアされています。色々遊んでいるうちに、散逸系ならとてもシンプルな機構でスピン流が流れてもいいことに気づきました。つまり、反強磁性体では局所磁化が交代的になっているわけですが、電磁場によってこのバランスを崩せばある方向にスピン流が流れるというものです。

open peer review というのが面白く、査読者とのやりとりも公開されています。
もしよかったらご覧ください!

Tatsuhiko N. Ikeda
Generation of DC, AC, and Second-Harmonic Spin Currents by Electromagnetic Fields in an Inversion-Asymmetric Antiferromagnet
Condens. Matter 2019, 4(4), 92

レタス収穫祭

最近、研究室でレタスの栽培が始まりました。
先週初めて収穫して、みんなで食べました。


第13回 物性科学領域横断研究会


第13回 物性科学領域横断研究会 に池田と川原が参加しポスター発表を行いました。

ポスター発表のタイトルは
池田「層状MX2化合物における自由エネルギー多谷構造とストライプCDW構造の起源
川原「マルチフェロイクス系におけるドメイン壁ダイナミクス
です。活発な議論が出来、とても有意義な研究会でした。

PS 池田が優秀ポスター賞を頂きました!

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学生優秀発表賞!!!

D2の鎮西です。約半年ぶりの更新です。 この度、日本物理学会の領域1で学生優秀発表賞をいただきました! 下の(引きつった)笑顔の写真は、受賞後の喜びの記念撮影です